妙手か 2016 12 4

書名 中央銀行は持ちこたえられるか
著者 河村 小百合  集英社新書

 ある銀行の広告に、「おまとめローン」という広告があります。
これは、あちこちから借金をしている債務者に対して、
借金を一本にまとめるというローンのことでしょう。
 あまりにも多くの金融機関から借金をしていると、
どこから、いくら借金をしているのか、わからなくなってしまうでしょう。
 このような場合に、借金をひとまとめにしてしまうと、
わかりやすい上に、便利かもしれません。
 ついでに、金利をゼロまで下げてもらうと、うれしいでしょう。
欲を言えば、金利をマイナス金利にしてくれると、ラッキーでしょう。
 ところで、日本政府の借金は、国債になります。
こうした国債をあちこちの金融機関に売りまくったので、
つまり、あちこちの金融機関から借金をしたので、
日本政府は、借金を管理するのが困難になったでしょう。
 そこで、日本銀行という金融機関が、
債務者である日本政府に「おまとめローン」を提供することになりました。
 公式には、金融緩和と称して、
日本銀行が金融市場から年間で80兆円も日本国債を買い取るという。
 なんだか「金融緩和」というと、難しく感じて、煙に巻かれた気分ですが、
要するに、官製の「おまとめローン」でしょう。
 日本銀行という中央銀行は、
株式をJASDAQに上場しています。
 株価は、成長性が低いので、長年低迷していますが、
株式の過半数は、日本政府が保有しています。
つまり、政府の子会社というか、「半官半民」のようなものでしょうか。
庶民も、このような便利な「官製のおまとめローン」を使いたいでしょう。





































































































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